聞いたことはあっても正しく使える人はかなり少ないと思われるこの一枚。実際に撃った、撃たれたという人もかなり少ないのではないだろうか?
かく言う私も撃たれたことも撃った事もない。その理由は2つ考えられる。

①現存枚数が非常に少ない
収録エキスパンションはアルファ~アンリミテッド。レアリティはレア。これが何を意味するかと言うと世界に3万枚しかないのだ。故に地味に値段もする。2ED版で6000円弱。これを買うよりは、何か別のカードを買うという人も多そうだ。

②相手依存のカードであること
厳密に書くと非常にややこしいカードではあるが、このカードの効果を簡単に書くと『自分が選んだカードを相手に無理やりプレイさせる』となる。相手が都合よくプレイ出来るカードを持っているとも限らないし、プレイ出来ると言う事は「じゃあ対応してこれ撃ちます」と言われて最も撃たれたくないインスタントは逃げられてしまう。M:TG Wikiにもあるようにシンプルに手札破壊が出来てしかも安いHymn to Tourachが普通は優先される。

しかしこのカードにしかできない事がある。たった2マナで『あなたはそのプレイヤーをコントロールする』が出来るのである。この記述を持つカードは他に3枚あるが

精神隷属機
マナコスト 6マナ
起動 4マナ

ソリン・マルコフ
マナコスト 6マナ
起動 妨害されず2ターン後

最悪の恐怖
マナコスト 8マナ

と、お手軽とは言えないコストに設定してある。一瞬だけとは言えWord of Commandはそれを2マナでやってのける。相手のコントロールを奪えば、統率者を統率領域に戻さずにずっと追放出来るのでは?と考えた。



・・・

・・・・・

考えたはいいが、本当にできるのか分からないorz
こんな状態が1ヶ月近く続いた。まあ、何はともあれテキストを見てくれ。

Word of Command (黒)(黒)
インスタント

対戦相手1人を対象とする。そのプレイヤーの手札を見て、その中からカードを1枚選ぶ。Word of Commandが解決されるまで、あなたはそのプレイヤーをコントロールする。
そのプレイヤーはそのカードを可能ならばプレイする。そうする間、そのプレイヤーはマナ能力を、自分がコントロールする土地のマナ能力で、それらが生み出すマナを自分
がコントロールする土地の他のマナ能力を起動するためかそのカードをプレイするためにのみ起動できる。その選ばれたカードが呪文として唱えられる場合、あなたはその呪文が解決されている間、そのプレイヤーをコントロールする。

「ああ、なるほどね」と分かる人間がいるとは思えないテキストだ。
噛砕いて説明していこう。

①対戦相手1人を対象とする。
②そのプレイヤーの手札を見て、その中からカードを1枚選ぶ。

ここまではMTGプレイヤーならすぐ分かる。問題はここから。

③Word of Commandが解決されるまで、あなたはそのプレイヤーをコントロールする。
そもそも解決という言葉が分かりにくいが、⑦を行うまで対戦相手に決定権が無くなりますという事になる。

④そのプレイヤーはそのカードを可能ならばプレイする。
『可能ならば』とあるので、マナが足りない、追加コストが払えない等の理由がないかぎりそのカードがプレイされる。選ばれたカードがソーサリーでもプレイさせられる。同様にクリーチャーやアーティファクトなど、ソーサリータイミングのカードもプレイ出来る。
土地をプレイさせることもできる。ただし、対象に取った対戦相手のターンでなければならず、1ターンに1回の制限は守る必要がある

⑤そうする間、そのプレイヤーはマナ能力を、自分がコントロールする土地のマナ能力で、それらが生み出すマナを自分がコントロールする土地の他のマナ能力を起動するためかそのカードをプレイするためにのみ起動できる。
土地を選ばなかった場合、そのカードをプレイする為にマナコストを支払う必要があるが、それは土地から出たマナしか使えません。
『自分がコントロールする土地の他のマナ能力を起動するため』というのは『陰謀団の貴重品室』や『ニクスの祭殿、ニクソス』やハイブリッドランド等が該当する。

⑥その選ばれたカードが呪文として唱えられる場合、
土地以外のカードを選んだ場合と言う意味

⑦あなたはその呪文が解決されている間、そのプレイヤーをコントロールする。
唱えた呪文の決定権はWord of Commandを唱えたプレイヤーにあると言う事。

で、これでWord of Commandの効果は終わり、選ばれたカードが土地でなければスタックに乗る。スタックに乗った事に対し、各プレイヤーは優先権を得る。優先権を得る順番だが、これがまたややこしい。Word of Commandによって唱えられた呪文はあくまで対戦相手にある。
A,B,Cの3人でゲームを行っており、A,B,Cの順番にターンが回っている時に、AがBにWord of Commandを撃った場合、Bの呪文がスタックに乗るので、優先権を得るのはBが最初で以下C→Aとなる。そしてWord of Commandによる呪文がスタックにある状態で、だれかの呪文がさらにスタックにある時にその呪文を解決中はWord of Commandを撃ったプレイヤーは撃たれたプレイヤーのコントロールを得ていない。あくまで『その呪文を解決する間だけ』である。

これを踏まえて以下の問題を考えてもらいたい。

【問題1】
プレイヤーAはWord of Commandを対戦相手Bに撃ちました。
Bは統率者をコントロールしています。
Bの手札には剣を鍬にがありました。
Bの統率者に剣を鍬にを撃ちました。
追放するか統率領域に戻すのはAかBか?

【問題2】
プレイヤーAはWord of Commandを対戦相手Bに撃ちました。
Bは統率者をコントロールしています。
めぼしいものがなかったのでBの手札から適当にスペルを撃ちました。
Aはそれに対応してBの統率者に剣を鍬にを撃ちました。
追放するか統率領域に戻すのはAかBか?

問題1の場合『剣を鍬に』のコントロールはAが持っている。その為、統率者を統率領域か追放領域に置くかの決定権もAが持っている。
問題2の場合『剣を鍬に』を撃ったタイミングではAはBのコントロールを得ていない為、統率者を統率領域か追放領域に置くかの決定権はBが持っている。

さて、最初の「このカードは統率者対策として有効か否か」という問題。答えは非常に限定的である為、否となる。問題2の場合で相手のコントロールを得ていれば非常に有効だっただけに残念。



というのは普通のEDHでの話。1対1のEDH、すなわちデュエルコマンダー、タイニーリーダーズの場合は話が変わってくる。なぜならばこれらのフォーマットの場合、強迫や思考囲いと言った1対1交換を行う手札破壊が普通に積めるからである。
これらの呪文を事前に撃って空撃ちを防ぎ、統率者に向かって除去呪文を撃ってもらおう。

コメント

SaTo(えすてぃお)
2015年5月28日23:38

結論:絵がかっこいい

Shion
Shion
2015年6月27日23:20

②ってAに選択権があるんじゃないのか。
word of commandは解決中(剣鋤プレイしてる)だからいけると思った。

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